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| お 金 と 遊 ぼ う ! 貨 幣 資 料 館 に つ い て
□ 理 解 さ れ に く い 趣 味 「お金を集める」。これが私の趣味です。もしも、「お金を貯めるのが趣味」なら、まだ理解されることもあるでしょう。しかし、「発行された歴史的経緯」を楽しんだり「デザインの美しさ」を愛でる対象として、お金を収集している、などと説明したところで一度に理解出来る方はほとんどいません。ほとんどの方々からすれば、「買い物にも使えない紙くずを、莫大な手間と費用をかけて集める」ことは無駄遣いとしか見えないようです。そんな「他人に理解されない趣味」をはじめて16年の歳月が経ちました。 □そ れ で も お 金 を 集 め る 理 由 お金を集めなくても、生きていくには全く差し障りありません。それでも集める理由は何でしょうか?私の場合、単純に「楽しいから」です。どんなところが楽しいのかというと、「一枚のお札なり、コインに散りばめられた情報を引き出すこと」というのが答えです。たとえば貨幣のデザインについて話をしましょう。普通、貨幣のデザインには発行した国家の「価値観」が凝縮されています。これは、国ごとに異なり、また同一の国家でも時代によって変遷を繰り返すため、大変興味深い研究対象です。
ここに、昔の1,000円札があります。それでは、ここからどんな情報が引き出すことが出来るのかやってみましょう。まず、真ん中にキクの花が描かれ、背景にはサクラの花が描かれています。この二つの花は、両方とも我が国の「国花」です。描かれている人物は伊藤博文です。この人は、我が国の初代内閣総理大臣でした。真ん中に押されているのは、「日本銀行総裁」のハンコです。「篆書」という書体で書かれているので読みづらいですが、「総裁之印」と読むことが出来ます。「千 円」の背景の模様は、法隆寺にある仏像の装飾模様を採用しています。 一枚のお札を見ただけでもこれだけの情報が引き出せます。それではさらに関連する情報を集めるとどうなるでしょうか? (a)このお札が発行されたのは、昭和38年(1963年)→当時のハガキ1枚の郵便料金は5円でした。現在、ハガキ1枚の郵便料金は50円です。単純に比較できませんが、現在の千円よりも昭和38年当時の千円はかなりの価値があったと考えることが出来ます。 (b)この紙幣が発行される数年前に、精巧な偽造千円札が出回り、社会問題になりました。 (c)政治家の「伊藤博文」が描かれていることから、昭和38年当時は「政治家」を紙幣肖像に描くのがふさわしいと、皆が考えていたと考えることが出来ます。(現在は、「文化人」。戦前は、「天皇家に対し功績のあった人物」) (d)肖像を彫刻したのは、「押切勝造」という技師ですが、一万円札の「福沢諭吉」の肖像も押切氏の手によるものです。 ・・・・・・とまあ、こんな感じでとめどなく情報を引き出すことが出来るわけです。「そんなことを知っていても1円にもならない」と言われてしまえば、それまでの知識です。しかし、この要領で我が国や諸外国の貨幣発行の歴史を辿ってみると、莫大な知識を手にすることが出来ます。また、私たちがうまれていなかった時代、行ったことのない国について想像力をめぐらせ深く知る手がかりにもなります。 こうしてみると、お金がなんだか「知的好奇心を満たすための遊び道具」のように思えてきませんか?そう、お金は「知的好奇心を満たすためのアイテム」としてぴったりなのです。当館では、お金を使って知的に「遊ぶ」ために必要な資料を収集し続けています。15年に亘り集められた資料は、インターネットに接続することが出来れば、いつでも、どこからでも、だれでも無料で利用することが出来ます。(商用利用時、または館長の定める一部の例外を除きます) さあ、あなたもいっしょにお金で遊んでみませんか? 平成19年2月9日
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